潰瘍性大腸炎 大腸がん

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潰瘍性大腸炎と大腸がんへのリスク

全ての潰瘍性大腸炎患者に大腸がんリスクがあるわけではありません。炎症の範囲が広ければ発がんリスクが高く、「全大腸炎型」で6.3%、「左側大腸炎型」で1.0%、直腸のみ炎症の「直腸炎型」ではがんのリスクはほぼないとされています。「全大腸炎型」で発症から7〜8年、「左側大腸炎型」で20年経過したころから急激に発がん率が上がり要注意となります。累積癌化率は10年で0〜5%、20年で8〜23%、30年で30〜40%と推定され、一般の発生率0.3%と比較すると相当高い比率でがん化していることになります。

 

大腸がん全体に言えることですが、当然早期発見を大前提にしなければなりません。潰瘍性大腸炎の発症後8年以上経過したら特に全大腸炎型では、サーベイランスといいますが、予防と管理をすることが重要となり、その代表的なもの大腸内視鏡検査を毎年少なくとも2年に一度は行う必要があります。また大腸内視鏡検査の際に、大腸各所から組織を採取し、顕微鏡で検査してもらうのも良いでしょう。

 

潰瘍性大腸炎から進展する大腸がんの特徴として、大腸炎との所見と紛らわしいことや、大腸内の平らな形状が多いために癌の早期の徴候の異形成を肉眼で発見することがなかなか難しいのです。大腸内視鏡検査を受けるなら、潰瘍性大腸炎から大腸がんのケースで内視鏡経験のあるドクターに検査をしてもらうべきだと思います。それくらい、何例か経験したものでないとわからない難しさがあるということです。

 

更には、潰瘍性大腸炎から発生する大腸がんは通常より性質の良くない(分化度の低い癌や浸潤癌)場合の比率が高いこともあります。発見された時には進行・転移していて手遅れの状態というケースだけは絶対に避けなければなりません。

また、薬剤の継続服用も大腸がんへの予防の意味を持っています。特にペンタサやアサコール(メサラジン)の5-ASA製薬の継続投与が潰瘍性大腸炎の炎症を抑えコントロールするとともに、大腸がん発生のリスクを減少させることが確認されています。

 

潰瘍性大腸炎病変部の明らかな異形成は、異形度にかかわらず、癌に進行する傾向があり、少しでも顔つきの悪い細胞があった場合、大腸全摘出手術を行うことが強く勧められます。ちなみに潰瘍性大腸炎の場合、大腸がんにならなくとも手術が必要なときは、大腸全摘出手術が前提になります。早期の異形成の段階なら大腸全部を摘出してしまえば癌の転移の可能性も低く、潰瘍性大腸炎は大腸に限定した炎症なので予後の癌の再発も理論上心配ありません。逆にすこしでも大腸の部位を残した手術の選択の場合は、癌の再発の可能性も残したままとなり、引き続きサーベイランスは必要になります。

 

以上のことから潰瘍性大腸炎から大腸がんをくい止めるには早期発見に尽きるといえます。早期発見できなかった場合は通常の大腸がんより深刻なものになります。

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