萎縮性胃炎 胃癌

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萎縮性胃炎と胃癌の良くもあり悪くもある状況

萎縮性胃炎と胃癌はセットで考えるべきものです。まず日本人の癌の統計実態が以下。
癌患者数で1番多いのが、大腸癌、発生要因では感染。
癌死亡者数で1番多いのが、気管支癌や肺癌、要因では喫煙。(男女比で喫煙要因は男性の圧倒的多数)
そして、癌患者数・癌死亡者数いずれも第2位が胃癌です。また、男女共に要因で第1位と僅差で第2位なのが感染です。胃癌と要因が感染とくれば、萎縮性胃炎と密接なつながりのある話になってきます。

 

萎縮性胃炎で胃癌との関連の中で、切っても切り離せないのがピロリ菌感染です。2015年現在、日本人のピロリ菌感染者は人口の約半数との推測もあるほどです。このピロリ菌感染者は、本人が気付かないうちに、ほぼ100%ピロリ菌感染胃炎を発症しています。またその内、約80%が萎縮性胃炎になると言われています。さらに、その内の1%未満が癌化するとされているのです。

 

逆に約半数と推測されるピロリ菌陰性の人の胃癌発生のリスクは、極めて低いものになります。そして将来、人口比率が衛生環境の良くなった時代に生まれた人たちが、多数を占めるようになる時代からピロリ菌陽性者率は劇的に下がってきます。つまり、その時代になれば日本人の胃癌発生もかなり減少することになります。

萎縮性胃炎が胃癌になる条件は、萎縮の状態により癌化率が違いますが、萎縮性胃炎を患者でも、なおかつピロリ菌感染者の場合は、ピロリ菌非感染者の10倍の胃癌リスクが高まることが解っています。胃癌患者のなんと99%がピロリ菌感染者の検査報告もあります。言い換えれば、胃癌予防に大きく寄与するのはピロリ菌の除菌ということになります。しかも、若い年代できれば10才代に除菌すると大きな効果を発揮します。高齢になってからや胃粘膜の萎縮が進行しすぎてからでは、除菌が成功しにくくなったり、除菌しても癌化抑制に効果を現さなくなってしまいます。

 

萎縮性胃炎からなる胃癌には、腸上皮化生を経てなる、比較的良性の分化型胃癌があり、ABC検査でそのリスクを測る事が出来ます。一方、スキルスに代表される悪性の未分化型胃癌は、萎縮性胃炎になる前のひだ肥大型胃炎や鳥肌胃炎と呼ばれる慢性胃炎状態からいきなり、速く進行する胃癌です。未分化型胃癌はABC検査でリスク判定する事が出来ません。怖い未分化型胃癌ですが、ピロリ菌除菌が成功すれば、未分化型胃癌の方は、ほとんど予防可能です。いっそのこと条件を決めて、ピロリ除菌を国の予算で義務化したらどうでしょうか。

 

ちなみに日本では、胃癌と診断を受けて5年以上生存する割合が60%と、他の先進諸国の約3倍の突出した成績です。胃癌患者数も増加しているので、胃癌の死亡率は減少していますが、それでも胃癌死亡者数は2014年報告で50年前と変わらず約5万人います。この数値は高齢化の進む中、更に2020年までは増加傾向にあると推測されます。しかしピロリ除菌を進めることと、検診率を上げることで確実に減少することははっきりしています。

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