胃全体萎縮性胃炎

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胃全体萎縮性胃炎は本当の萎縮性胃炎

胃全体萎縮性胃炎とは、胃の入口噴門部、胃底部、胃体部(上部・中部・下部)、胃角部、出口付近の前庭部、に及ぶ広範囲、すなわち胃全体に胃粘膜萎縮が確認される状態を言います。この状態が萎縮性胃炎の典型ともいえ、通常は「萎縮性胃炎」とだけで「胃全体萎縮性胃炎」という呼び方はあまりしません。

 

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した胃粘膜は胃の出口の近く(前庭部)から萎縮性変化が始まり、多くが徐々に上部食道へ向かって萎縮範囲が拡大していきます。やがて胃全体萎縮性胃炎化し、ヘリコバクター・ピロリ菌さえも住めなくなってしまいます。この状態が萎縮性胃炎が癌の前段階と言われる所以で、高度化した危険な状態です。

 

胃粘膜の萎縮は、その範囲が広くなればなるほど細胞異常の機会も増えることになります。胃粘膜が腸の細胞と入れ替わる「腸上皮化生」、或いは、全体的にむくんだように胃の襞がふとくなる「肥厚性胃炎」など、萎縮性胃炎から次の段階への細胞変化の可能性も増してきます。こうして胃全体が癌化しやすい条件を整えていくことになります。逆に言えば、萎縮が胃の前庭部など一部にかぎられていれば、胃酸過多が原因の逆流性胃炎、或いは十二指腸潰瘍にはなりやすいものの、萎縮性胃炎にはならず胃がんから外れた方へ向かいます。

従って、胃粘膜の萎縮範囲が胃の一部から胃全体に広がることは、癌化リスクの観点から大きなポイントとなる点なので、出来ることなら阻止したいものです。そのもっとも有効な手段が、炎症や萎縮の範囲が胃の一部にとどまってるうちに、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を行うものです。

 

ヘリコバクター・ピロリ菌除菌の注意点は、前述したように胃全体萎縮胃炎へ範囲拡大した後にピロリ菌が住めない状態まで高度進行した場合、当然除菌の対象がなくなってからでは意味がありません。また患者が高齢の場合は、長い萎縮期間にヘリコバクター・ピロリ菌の関連を超えて、胃癌になりやすい細胞の異常変化の下地が出来上がっている場合があります。そんな状態でヘリコバクター・ピロリ菌除菌に成功したとしても癌化リスクの軽減に全く影響しません。

 

胃粘膜の萎縮はヘリコバクター・ピロリ菌感染と関連なく、老化現象の一つとして発生する場合もあります。この場合、萎縮は胃の前庭部から徐々にではなく、胃体上部を含めて広い範囲から萎縮を発生させるケースが多くあります。

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