慢性膵炎 手術

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手術はいろんな術式から選択される

慢性膵炎の手術は、内科的治療が効果を表さない場合、そして以下6つの状況にある場合行われます。

 

@強い頑固な腹痛が継続する
A膵液や胆汁の通り道である総胆管・膵管に胆石・結石がある
B急性膵炎発作を繰り返す
C仮性嚢胞や膵膿瘍を合併する
D膵機能荒廃が進行性で防止する必要性に迫られる
E膵臓がんの疑いが強い場合

慢性膵炎の手術を考えるうえで内視鏡的逆行性膵管造影(ERCP)の所見が大変重要です。主膵管の拡張の程度、狭窄の部位やその程度が限られた範囲か、広い範囲に広がっているのか、さらに仮性裏胞や膵石合併があるかどうかで、以下のようなどの術式を選択するか決定します。

 

1.膵管減圧術:上昇した膵管内圧を減圧することにより疼痛を解除し
ようとするもので、膵管ドレナージ手術ともいわれる。
(1)膵管空腸吻合術

  • Frey手術:膵頭部に炎症性腫瘤が見られたり膵石が存在した場

    合、膵頭部の芯抜きをするように円錐形に膵実質をくり抜く

  • Beger手術:十二指腸温存膵頭切除術
  • Partington手術:長軸方向に膵管を切開して、尾部から頭部にか

    けて小腸と惻々吻合する

  • Puestow手術、
  • Duval手術、

(2)乳頭部膵管口形成術、
(3)嚢胞胃または空腸吻合術

 

.膵切除術:膵実質の炎症そのものが疼痛の原因と考えられる場合
(1)膵尾側切除術、(2)膵頭切除、膵頭十二指腸切除術、
(3)膵亜全摘術、(4)膵亜摘術

 

.神経切除術:膵臓周囲の神経を切除して疼痛の経路を遮断しようと
する、古くからおこなわれている術式。
(1)膵頭神経叢切除術、(2)内臓神経切除術、
(3)腹腔神経節切除術、(4)胸部交感神経切除術

 

.胆道手術:胆石の合併あるいは高度の胆道狭窄を伴う場合には胆嚢
摘出とともに胆管消化管吻合術が付加されます。

 

以前に比べると慢性膵炎で手術が行われることは少なくなりました。それは胆のう結石の場合など、コレステロール胆石であれば溶かす治療(胆汁酸療法)、体外衝撃波で壊す治療(膵石破砕療法ESWL)が良好な成績を上げているためです。

 

慢性膵炎の術後の疼痛に対する成績は、膵管減圧術、膵切除術ともに90%以上が消失あるいは緩解していると報告があります。手術したからと言って慢性膵炎を根治させることはできません。術後も栄養療法、薬物療法、禁酒を継続しましょう。

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