慢性膵炎 慢性膵炎

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早期慢性膵炎診断は精神的安定につながった

早期慢性膵炎の概念の登場は、従来の診断基準では高度に進行した慢性膵炎しか確定診断できないという問題点を克服し、早期診断、早期治療導入へ道を開いた点で画期的でありました。

慢性膵炎臨床診断基準2009で導入された、新カテゴリー早期慢性膵炎は、従来の定義にまでは至らないけれど、膵臓の異常による腹痛・腰痛などの激しい症状に苦しんできた方々にとって、自分たちのある程度の病態の説明がつき、何の病気の状態なのか認識できることで、気持ちが落ち着くという点で大きな前進です。

 

しかし現時点では、この診断基準は十分なデータに基づいているわけではなく、「早期慢性膵炎」が、やはり非可逆的(回復は見込めない)なのか、あるいは治療次第では可逆性(回復可能)なのか、意見が分かれているため、早期慢性膵炎の診断の世界的なコンセンサスはまだ定まっておらず、これからの課題ということのようです。

 

早期慢性膵炎の診断基準には、診断設備技術の向上で超音波内視鏡(EUS)が非常におおきな役割を果たしまた。また、いくつかの新しい試みが精力的になされており、CTデータをもとに3Dワークステーションによって画像解析を行い、膵実質血流を カラーマップで表示する「Perfusion画像」もこうした新しい取り組みのひとつです。

 

さらに「早期慢性膵炎」以外に「慢性膵炎疑診例」という分類が追加されました。両者について「臨床診断基準2009」では下記の表記になってます。

 

「早期慢性膵炎」:B〜Eのいずれか2項目以上と早期慢性膵炎の画像所見が認められる。
@,Aのいずれも認めず,B〜Eのいずれかのみ2項目以上有する症例のうち,他の疾患が否定されるものを慢性膵炎疑診例とする.疑診例には3か月以内にEUS を含む画像診断を行うことが望ましい.

 

記載に因ると、「早期慢性膵炎」は画像検査後に診断され、「慢性膵炎疑診例」は画像検査の前で診断される、ということのようで、「早期慢性膵炎」の下位に「慢性膵炎疑診例」があるようです。

 

疑診例とは診断が下ったことなのか、されてないのか、微妙な呼び名になったものですが、実際、現場では疑診の方は大変多いのではないでしょうか?日常生活もままならないほどに、激しい腹痛にみまわれてるのに、検査所見が確診例や準確診例の基準に達しないため治療対象にならなかった方々には、「疑診例」でも「早期慢性膵炎」でも、治療が開始されることに意義があります。

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