慢性膵炎 多発性嚢胞症

スポンサードリンク

慢性膵炎でも多発性嚢胞症は経過観察が多い

多発性嚢胞症は、慢性膵炎由来の膵臓だけでなく、肝臓、腎臓、脾臓、甲状腺などなどいろいろな臓器にできるもので、病的な複数の袋状のものをいいます。一般的にそのなかには液体が入っいて、大きさは数ミリから10センチ以上に及ぶこともあります。

嚢胞の中の液体は、膵液や炎症性の液体や血液成分、分泌物などが膵臓のまわりに吸収されないまま残ったものです。単発で出来る嚢胞もあるのですが、複数個出来るものを多発性嚢胞症といい、酷いものはぶどうの房のようになります。

 

嚢胞には真正嚢胞と偽嚢胞があり、嚢胞の内面が上皮細胞でおおわれいいるものが真正嚢胞で、そうでないものが偽嚢胞です。さらに真正嚢胞は先天性ものと、後天性のものに大別されます。真正嚢胞の中の先天性嚢胞に分類される病気が多発性嚢胞症になります。

慢性・急性膵炎の場合生じる嚢胞は、膵臓のなか、もしくはその周辺に出来る偽嚢胞の仮性嚢胞というものが最も多いのですが、この液体成分と周囲の組織との間に、しだいに膜が出来て真正嚢胞となったもが増えていって多発性嚢胞症を呈する場合もあるのです。、

 

多発性嚢胞症は基本的に良性のものの場合が多く、嚢胞は自然に消失することもあるため、慢性膵炎の場合ほとんど経過観察になります。しかし、大きくなっている場合や、隆起性病変がみられる場合には、十二指腸、大腸などを圧迫するようになり、上腹部の痛みや圧迫感を訴えるようになると、がん化する可能性も考えられるために手術によって切除する必要があります。できる場所によっては、膵管をつぶしたりします。

 

最近では慢性膵炎でも画像検査の技術進歩により、膵管という膵液の流れるところが細かに観察できるようなり、そこにできた膨らみの中身が腫瘍化した、腫瘍性嚢胞を捉えるようになりました。

 

腫瘍性嚢胞の代表が膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)です。膵管に発生する乳頭状の腫瘍によって作られた粘液が、膵管内に貯まったふくらみのことです。初期のうちは非常に小さく、それが腫瘍かどうか各種の画像検査でもとらえられないため、膵管の袋状のふくらみとして、膵嚢胞と表現されることがあります。したがって、慢性膵炎で膵管内に膵嚢胞を診断された場合は、IPMNの疑いも考えなければいけません。

 

IPMNはゆっくりと年数を経て進行し、貯まった粘液量が増えて嚢胞として大きくなってきたり、周囲の分枝膵管にも粘液が貯まってくると、ぶどうの房のように多発性嚢胞症を呈したりしてきます。粘液が主膵管にまでたまってくると、腫瘍そのものが画像検査でわかるようになり、そうなると手術の検討が必要になります。

スポンサードリンク